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更年期症状

更年期とは

女性のライフステージは大きく「思春期」「性成熟期」「更年期」「老年期」の4つに分けられます。
この初経をむかえる思春期と閉経をむかえる更年期には大きく女性ホルモンの分泌が変化しますが、この閉経前後の10年間のことを「更年期」と言います。

日本人の閉経年齢の平均は51歳ごろですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えるとされており、早ければ40歳ごろから更年期に入ることになります。

なぜ更年期に症状が出るの?

更年期には、卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が不安定になります。
このとき、エストロゲンの分泌量は大きく「揺らぎ」ながら減少するため、心とカラダが乱され、さまざまな不調が出やすくなります。
ただし、更年期と言われる時期には、エストロゲンの減少だけでなく、心理的な要因(ストレスをためやすい、我慢しやすい)や社会的な要因(仕事や職場の環境)も複雑に関与するため、更年期の症状の種類や程度には、個人差があります。

これは更年期かな?と思ったら、ご自身で調べることができる簡易のcheck項目がありますので、一度やってみてください!
このチェック表で51点以上だった場合には、更年期障害の可能性があります。一度、当院へご相談ください。

更年期症状にはどのようなものがあるの

更年期には、非常に多彩な症状が現れます。中でも、肩こりや疲れやすさなどの運動器系の症状や、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗などの血管運動神経系の症状は30~50%の方に認められています。
更年期に現れるさまざまな症状の中で、他の病気が原因でないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障をきたしている状態になると「更年期障害」という診断になります。

更年期症状の発現頻度

更年期に気をつけたい病気について

女性ホルモンは月経・妊娠などの生殖に関わることだけではなく、実は、女性の身体のいろいろな臓器に作用し、多くの働きをしています。
女性ホルモンの作用がなくなることにより、ホットフラッシュや発汗などの自律神経失調症状や倦怠感、うつ、不眠などの精神症状が出現します。これらの症状はご自身で感じることができるため、気がつきやすいですが、実は見えないところでも体に変化は起きています。
エストロゲンの働きかけを失った臓器の変化として骨や血管、皮膚、泌尿生殖器などが影響を受け、徐々に衰えていくのです。

更年期に気をつけたい病気①:生活習慣病

女性ホルモンには、血管をしなやかに保つ、内臓脂肪を分解しやすくするなどの作用があり、生活習慣病の発症を抑えてくれています。
ところが、閉経以降は女性ホルモンの保護がなくなり、「脂質異常症」「糖尿病」「高血圧」など生活習慣病へのリスクが高くなります。
これらの疾患は「動脈硬化」を引き起こし、動脈硬化は、「心筋梗塞」や「脳梗塞」などの重大な病気を引き起こす危険があります。
特に、妊娠中に高血圧や糖尿病を指摘されたことのある方は要注意です。

更年期に気をつけたい病気②:骨粗しょう症

更年期を迎えると、エストロゲンの急激な減少によって骨密度が低下し、骨の質も劣化します。
閉経後、1年に2%ずつ骨量は減り、10年後には20%も減少するといわれています。
更年期症状が気になる時には、骨密度の検査も同時に受けることをお勧めします。

更年期障害はどのように治療すれば良いの?

① 生活習慣の改善

生活習慣の乱れは、更年期の症状を悪化させる原因のひとつです。
とくに、食生活の乱れ、運動不足、睡眠不足は大きな影響を及ぼします。規則正しい生活を心がけましょう。

食事を見直しましょう

まずは、食事のリズムを整えましょう。
1日3回の食事の時間を規則正しくし、人工甘味料を多く含む間食類や極端に遅い夕食は避け、食事を楽しんでゆっくりよく噛んで摂りましょう。
大豆製品やカルシウムなどの接種もお勧めです。

運動習慣をつけましょう

適度な運動は、ストレスの解消になります。
有酸素運動には、たくさんのメリットがあります。
また、基礎代謝を維持するためには筋力トレーニングも有効です。
無理なく続けられる方法をみつけ、意識して体を動かすことに心がけましょう。
骨粗しょう症の予防にも効果があります。

② サプリメント

更年期症状の出始めの方には、サプリメントの接種もお勧めです。
大豆に多く含まれているイソフラボンは、エクオールに代謝され、体内でエストロゲンと同じ働きをします。
しかし、実は、大豆からエクオールを作ることができるのは2人に1人もいないのです。
また、大豆製品を毎日接種することが難しい方もいらっしゃると思います。
そんな方は、一度サプリメントを使ってみることをお勧めします。

また、骨粗しょう症の予防には、エクオールの他、カルシウムやビタミン類も一緒にとると効果的です。

③ 漢方療法

漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、患者様の症状に合わせて処方することで、全体的な心と体のバランスの乱れを回復することができます。
エストロゲンの欠乏のみでなく、それぞれの社会的背景やストレスなど、様々な状況が複雑に絡み合うことにより、体に起こってくる不調全般が「更年期障害」です。
生薬の組み合わせにより色々な症状に対応することができます。

④ ホルモン補充療法

更年期症状が強い方、生活習慣の改善や漢方薬で効果が少なかった方には、減少してしまった女性ホルモンを直接補充する「ホルモン補充療法」も可能です。
ホルモン補充療法に用いるホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、またその投与法もさまざまです。
患者様と相談しながら、それぞれに最適な治療方法を選択させていただきます。

ホルモン補充療法には、動脈硬化や骨粗しょう症など老年期に起こる疾患が予防できるという利点もあります。
一方で、血栓症や乳がんへのケアは必要ですので、喫煙をされておられる方には禁煙をお勧めしています。

⑤ プラセンタ療法

漢方薬であまり効果がなかったけど、ホルモン補充療法にはちょっと抵抗があるという方には、プラセンタ注射という選択肢もあります。
「プラセンタ」というと、シワ・くすみ・たるみなどのお肌のトラブルや、不眠・疲労の回復目的に使われるイメージが強いですが、実は更年期障害にも効果があり、保険適応の治療方法です。
保険適応には一定の条件があります。
また、特定生物由来製品ですので、献血ができなくなるなどの制限があります。
ご希望の方は事前にご相談いただけますと診察がスムーズです。

最後に

更年期障害、それは、ちょうどストレスを抱えやすい年代の女性に起こりやすい疾患です。
いろいろな症状が出て辛いのに、そのしんどさを周りに理解してもらえないこともあるかもしれません。
でも、一つ知っておいてほしいことは、「更年期には必ず終わりがある」ということです。
閉経期に女性ホルモンはゆらぎながら低下し、その変化のペースについていけなくなった結果として様々な症状がでます。
そのゆらぎがいつか落ち着き、一定になると、私たちの身体はその状態に徐々に順応していきます。
その期間や程度には個人差がありますが、私たちがサポートすることで、皆さまが少しでも楽に過ごしていただけるようになれば、幸いです。

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